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カイコウオオソコエビ

カイコウオオソコエビ

 カイコウオオソコエビは、マリアナ海溝チャレンジャー海淵の世界最深部に生息する超深海生物です。また、日本付近の伊豆小笠原海溝、日本海溝の超深海部にも生息していることが確認されました。カイコウオオソコエビはヨコエビ類の生物で、学名は Hirondellea gigas といいます。実は最も研究されている深海生物の一つです。

 

海の砂漠、超深海で何を食べて生きているのでしょうか?

 

 一般にヨコエビ類は他の生き物の死骸や排泄物、微生物などを食べて生きています。しかし、超深海は非常に高い水圧のため、生物の数・種類共に多くありません。そのため、超深海は「海の砂漠」と呼ばれています。もちろん、カイコウオオソコエビにとっても、食べ物の問題は深刻です。超高水圧の世界最深部では陸や浅い海から落ちてくる物に頼るしかありません。

 落ちてくる物は、生き物の死体や排泄物、陸からの植物片などがあります。しかし、生き物の死体や排泄物などは浅い海や中層に住む魚やエビ・カニ、微生物にとっても御馳走です。カイコウオオソコエビが住む深い海の底までは、ほとんど届きません。一方、流木や落ち葉などの植物片は、途中で食べられることなく落ちてきます。

 そこでカイコウオオソコエビは、この植物片を食べ物にしています。他の魚やエビ・カニは、植物片を食べたりしません。なぜなら、植物片を分解して栄養素にすることが出来ないからです。一方、カイコウオオソコエビは、植物を分解して糖分にできる酵素を持っています。カイコウオオソコエビは、陸から落ちてくる流木や落ち葉を食べて、食べ物の無い超深海で生息できるのです。

 

超深海にエビ・カニがいない理由

 

 貝類やエビ・カニ類の殻は、とても丈夫です。その丈夫な殻は、炭酸カルシウムの結晶で出来ています。エビ・カニ類の場合、足や手も殻で覆われていて、何かを掴んだり、挟んだりするために利用されています。エビ・カニにとって、硬い殻は生活必需品と言えます。しかし、水深5000mを超える超深海では硬い殻を持つエビ・カニは、ほとんど見かけません。超深海では、高い水圧により炭酸カルシウムの結晶が溶けてしまうからです。そのため、エビ・カニが超深海では生きていけません。

 

超深海でもカイコウオオソコエビの殻は溶けません。

 

 カイコウオオソコエビは、炭酸カルシウムが溶けてしまう水超深海で生息しています。しかし、カイコウオオソコエビの殻は炭酸カルシウムの結晶で出来ています。なぜ、炭酸カルシウムは溶けないのでしょうか?それは、カイコウオオソコエビの表面がアルミゲルで覆われているからです。アルミゲルは水酸化アルミニウムで出来ています。以前、アルミゲルは胃の粘膜の保護剤として、頭痛薬などに添加されていました。アルミゲルがカイコウオオソコエビを保護し、炭酸カルシウムの溶解を防いでいるのです。

 

 まだまだカイコウオオソコエビの秘密は沢山あります。海水にはほとんど含まれていないアルミニウムを、どこから持ってくるのか?ここでは説明していません。世界最深部に棲息するカイコウオオソコエビは、生物が様々な場所で生き抜くための進化の結果を魅せてくれる生き物なのです。

カイコウオオソコエビ標本

カイコウオオソコエビの樹脂包埋標本

 日本近海の深海底で採取されたカイコウオオソコエビを樹脂で包埋した標本です。以前、国立科学博物館で開かれた「深海展」で展示された標本と同等品です。標本の大きさは横7.5cm縦4cm、厚さ3cmです。当社のカイコウオオソコエビは、2020年以降に当社が採取した試料です。海洋研究開発機構(JAMSTEC)とは一切の関係はありません。

 

 当社では、カイコウオオソコエビ標本の貸し出しを行っております。1個1泊2日で1000円(税別)(往復送料1200円(6個まで))となっております。理科教育、創作活動から企画展示まで、幅広くご活用いただけます。また、詳しく解説したパンフレットやポスターもご用意できます。是非お問い合わせ下さい。

貸出しのご依頼・お問い合わせは、メールにて承っております。

プレッシャーに耐える力を貴方に

 プレッシャーに強い生き物と言えば、深海の生き物です。高い水圧、エサもほとんどなく、暗黒、低温と言う過酷な環境で元気に生きています。そして、世界でもっとも深い海底に住んでいる生き物が、カイコウオオソコエビです。以前、報道された映像には、カイコウオオソコエビが世界最深部のマリアナ海溝で元気に泳いでいる姿が映っていました。カイコウオオソコエビこそ、世界で最も強い圧力に耐え、低温、暗黒、貧栄養というストレスいっぱいな環境で生き抜く最強の生物です。耐プレッシャー、耐ストレスにかけては、右に出る者はいないでしょう。

アメリカやイギリスでは、ラビット・フット(ウサギの足)がお守りとして有名です。その由来は諸説あります。ウサギが多産で生命力や繁殖力の象徴だった説、魔術的な儀式の触媒に使われていた説、極悪な犯罪者の遺体の一部は幸運をもたらすと信じられていた時、ウサギの足で代用できるとされた説などがあります。

 カイコウオオソコエビの一部を身に着けることで、プレッシャーやストレスを弾き飛ばしましょう。カイコウオオソコエビで作ったお守りが生理学的に貴方の心を強くする作用はありませんが、きっと心の支えになるでしょう。

カイコウオオソコエビの殻は、一般には絶対に手に入らない品です。

カイコウオオソコエビ

カイコウオオソコエビ

​日本近海の日本海溝・伊豆小笠原海溝深部より採取されたカイコウオオソコエビ達です。世界最深部マリアナ海溝チャレンジャー海淵にも生息しています。

お守り説明文

英語と日本語の解説プレート

カイコウオオソコエビについて解説プレートを用意しました。英語と日本語を用意しました。お守り袋の中に入るサイズです。

カイコウオオソコエビの殻

カイコウオオソコエビの殻

カイコウオオソコエビを解体して殻を取り分けました。実はカイコウオオソコエビは、深海から引き揚げるとほとんど殻だけになっています。

お守り全アイテム

お守りの全アイテムです。

お守りの全アイテムです。お守り袋は、革製です。H. GIGASの刻印がされています。

お守り中身

殻を樹脂で包埋しました。

カイコウオオソコエビの殻を樹脂に包埋しました。これがお守りの中身です。学名 Hirondellea gigas のネームプレートも埋め込みました。

お守り外観

お守りの外見です。

お守りのサイズは横4.5cm、縦7cmです。紛失防止のため、丈夫な革製と金具を使用しています。

ご注文はコチラから

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