「ダーウィンが来た!」で野生のウズラが取り上げられていました。
- Hideki Kobayashi
- 3月3日
- 読了時間: 3分
NHKで毎週放映されている「ダーウィンが来た!」という番組があります。日本に限らず、世界中の様々な動植物の生態を紹介する番組です。この番組では、これまで鳥類の生態も数多く放送しています。特にマイコドリやニワシドリ、ハシビロコウの回は面白かったです。これらは日本の鳥では無いのですが、日本の鳥ではスズメの回が人気だったようです。そして、最近うずらが取り上げられました。タイトルは、「そうだったのか!ウズラ&トンボに新事実」です。番組内では「ウズラ 誰もが知っているのに誰も見たことのない鳥」と紹介されていました。本当にその通りだと思いました。実際、野生のうずらは環境省カテゴリで絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。

もともと、うずらは身近な鳥でした。
平安時代から江戸時代にかけて、貴族や殿様が狩りを行う時の対象となっていました。また、江戸時代ではうずらの鳴き声を競わせる「うずら合わせ」なる競技も行われていました。しかし近年、第一次世界大戦、第二次世界大戦と戦争を経験するうちに、食糧難から沢山のうずらが狩られました。また戦後は、住宅地が拡大して、うずらにとって良い生息地である草地が減少しました。結果として、うずらは非常にレアな鳥となってしまいました。
今、野生のうずらは、どこにいるのか?
「ダーウィンが来た」でも紹介されていましたが、野生のうずらが生息する草地には条件があります。それは、草の背丈が10-20cmであることです。人が手入れをしていないと、多くの草地は非常に背丈が高くなり、仲間の位置が見えなくなり、繁殖に影響するようです。番組内では、青森県の仏沼で野生うずらの撮影が行われていました。仏沼では毎年春に野焼きが行われたり、周囲の牧草地で頻繁に草刈りが行われたりと、うずらにとって住みよい環境が保てているようです。
野生のうずらが目撃されている地域
「ダーウィンが来た!」では、青森県の仏沼が紹介されていました。環境省のデータによると、実はうずらの目撃情報は、北海道と茨城県、栃木県、千葉県、そして九州地方に多く、青森県はありませんでした。また、日本野鳥の会や全日本狩猟倶楽部の目撃情報でも、青森県のうずら目撃情報はありませんでした。日本野鳥の会でも千葉県、茨城県、九州地方での目撃報告が多く全日本狩猟俱楽部では、宮城県。群馬県、九州地方が多かったです。森林や湿地の他に、野鳥の会では病院や公園の緑地や庭などで、全日本狩猟倶楽部では植木用の苗木等を人工的に植えているような環境で確認されていました。ひょっとすると、意外な所で野生のうずらと出会えるかもしれませんね。
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