top of page
検索
執筆者の写真Hideki Kobayashi

お客様からヒメウズラ孵化の少し変わったご報告を頂きました。

 当社からヒメウズラの有精卵をご購入されたお客様から、孵化のご報告を頂きました。今回のお客様は、孵卵器は利用しないで、抱卵するお母さんヒメウズラに暖めてもらった、とのことでした。ヒメウズラは、抱卵しない個体がほとんどなので、非常に珍しいケースだと思いました。ヒメウズラも自然界なら営巣して、産卵・抱卵を行い、ヒナを孵化させることでしょう。しかし飼育環境では、これら一連の行動はあまり見られません。時々メスが抱卵する挙動を見せても、1-2日で抱卵を止めてしまうことがほとんどです。孵化まで抱卵して「お母さんヒメウズラ」となれる個体は、非常に珍しいです。それでも、ヒメウズラの自然な姿、営みを見たいと思う方は多いと思います。

 


お母さんヒメウズラとヒナ
お母さんヒメウズラとヒナ

ヒメウズラの生息地は東南アジアと中国南部です。

 

 ヒメウズラの自然な姿を見るためには、やはり飼育環境を原産地の自然に近づけることが一番だと思います。東南アジアの植物相は、主に熱帯雨林・亜熱帯雨林と常緑広葉樹林(熱帯高地)となっています。一方、中国南部は、日本の関東以南とほぼ同じ常緑広葉樹林(温帯)、落葉広葉樹林(温帯)が広がっています。そのため、日本の植物でもヒメウズラの原産地と同様の環境が再現できると思います。基本的には屋外での飼育が望ましいでしょう。隠れる場所が多めになるように植物を準備して、雨などが避けられる小屋を用意しましょう。営巣の素材となるワラは、園芸用の敷ワラで代用できます。色々な長さに切断して、準備してあげましょう。敷ワラは、園芸店やホームセンターで購入可能です。鳥用のワラ巣として販売されている物もありますが、ほとんどがセキセイインコ用のつぼ巣なので、ヒメウズラは利用しない可能性が高いです。

 

お母さんヒメウズラになる個体は個性によります。

 

 飼育環境を自然に近づけても、必ずしもメスが抱卵する「お母さんヒメウズラ」になるとは限りません。ほとんどの場合、卵に無関心で卵を産んだメスもつがいのオスも卵を放置します。ただ、ヒメウズラの中にも卵に興味を持ち、抱卵のような姿勢を取ることがある個体が出現します。これがお母さんヒメウズラの素質があるヒメウズラです。素質があっても、抱卵を1日で止める個体や1週間くらいで止める個体も出てきます。我慢強く、静かに見守りましょう。しかし、まったく卵に興味が無かったヒメウズラのメスが、突然目覚めて抱卵することもあるそうです。ヒメウズラの飼育を続けると、お母さんヒメウズラに出会えるかもしれません。

 



 

閲覧数:110回0件のコメント

最新記事

すべて表示

ウズラのアンティーク時計

ウズラ類は世界中に分布し、古くから人間の生活圏に住んできました。時には狩猟の対象になったり、時には愛玩の対象になったりしました。現在でも、アメリカやヨーロッパでは狩猟の対象です。アメリカでは州の鳥という物が制定されていて、ジョージア州とテネシー州では、コリンウズラが州の狩猟...

Commenti


bottom of page