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執筆者の写真Hideki Kobayashi

コリンウズラの孵化は比較的難しいようです。

 コリンウズラの孵化は最大で24日程度必要です。ヒメウズラや並ウズラの17日、ニワトリの21日よりも長い期間となります。孵化に必要な日数だけなら、コールダックの28日の方が長いのですが、コリンウズラの孵化の方が難しいようです。どのくらい難しいのか、他の鳥類と単純に比較できませんが、コリンウズラの孵化条件が科学論文で発表されるくらい難しいみたいです。例えば、次の論文が挙げられます。

 

 

 タイトルは、「様々な温度の組み合わせで温めたコリンウズラの孵化率」です。1978年と古い論文ですが、孵化温度を変えて実験しておりました。また、孵化途中で温度を変化させるなど、様々な孵化条件が検討されていました。3回の孵化実験の結果から、38.1℃が良い条件とされていました。また、最後の4日間は37.5℃に温度を低下させると良い結果となる、と述べられていました。孵化率は70-80%と高いのですが、これは孵化実験開始から7日目で検卵を行い、孵化が進んでいない卵を除去した後の結果です。逆に言えば、孵化が7日目の時点で進んでいたとしても全てが無事に孵化するとは限らないことを示しています。また湿度は64-67%に調整したとしていますが、現在の条件からは多少高い湿度と言えるでしょう。現在の推奨孵化条件は、37.5-38℃で、湿度は40-60%となっています。しかし、これも色々な人の孵化経験によるもので、果たして自分の孵化条件に当てはまるのか、難しい所です。もちろん、研究者が使う精密機器レベルの孵卵器と、廉価で販売されている市販の孵卵器では、温度と湿度の制御精度が全く異なります。

 


白コリンウズラ、生後8カ月目です。
白コリンウズラ、生後8カ月目です。

湿度は低めで、最後の3日間は温度を37.5℃に下げる。

 

 温度や湿度および転卵回数が適切な場合、コリンウズラの孵化は孵化開始時と最後の2日間が孵化率に大きく影響することが知られています。孵化開始時に湿度が高いと確実に停止卵となります。また、最後の2日間は卵の中のヒナが外に出ることが出来ずに死んでしまうパターンです。その最後の2日間は、温度を下げることが推奨されています。高い温度のままだと、卵の中のヒナの酸素消費と体力消費が激しいことが理由とされています。これは1978年の論文よりも前から言われてきたことなので、孵化率に良い結果をもたらすことでしょう。コリンウズラの孵化率を上げるため、やるべきことの一つでしょう。

 

孵化日数の数え方について

 

 最後に孵化日数の数え方について、慣例となっている方法をご紹介したいと思います。一般に午前中に孵化を開始した場合、次の日で1日目とします。午後や夕方に孵化を開始した場合、次の日は0日目として数えるようです。これは慣例なのですが、これまで紹介した温度を下げる日数や転卵を止める日数は、この慣例に基づいて数えられています。少し変だなと思っても、基準としてお考え下さい。もちろん、自分で何時から開始と記録しておくと、正確な孵化日数が数えられると思います。難しいコリンウズラの孵化ですが、あっけなく成功する方もいます。理由は不明ですが、様々な条件が偶然良かったのでしょう。当社では、多くの方がコリンウズラの孵化に成功することを願っております。



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