サイエンスアゴラ2022は、テレコムセンタービル(東京・台場 青海地区)で11月4日(金)~6日(日)に開催されます。当社は5日(土)と6日(日)に参加します。当社は4階415に出展します。少し前に、当ブログでも報告しましたが、今回はカイコウオオソコエビの樹脂包埋標本を展示します。また、大きなカイコウオオソコエビのポスターも展示する予定です。サイエンスアゴラ2022のテーマは、「まぜて、こえて、つくりだそう」です。ウズラさん達が関係できるテーマではないのが残念です。
実はサイエンスアゴラ2022は、オンラインで先週(10 月 20 日(木)~ 22 日(土))開催されました。コロナウイルス感染症が流行した時、サイエンスアゴラはオンラインで開催されたそうです。その時、好評だったそうで、オンライン開催が継続されたそうです。また、サイエンスアゴラ2022は東京で実地開催されるので、地方に住んでいる方は、参加が難しいという意見もあったそうです。
世界最深部に住むカイコウオオソコエビについて
カイコウオオソコエビは、マリアナ海溝チャレンジャー海淵の世界最深部に生息しています。地球上で最も深い所に住んでいる動物です。伊豆小笠原海溝や日本海溝、フィリピン海溝の最深部にもカイコウオオソコエビが生息しています。ちなみにカイコウオオソコエビはエビの仲間ではなく、ヨコエビの仲間です。エビは殻を剥いても体に足が付いています。しかし、カイコウオオソコエビの殻を剥くと、足も一緒に体から外れてしまいます。殻と足が一体化していることが、ヨコエビがエビと決定的に違う点です。体の構造としては、フナ虫に近い形態です。カイコウオオソコエビの仲間は、深い海溝の底に住んでいます。トンガとニュージーランドの近くにあるケルマディック海溝には、Hirondellea dubia というカイコウオオソコエビ(Hirondellea gigas)の近縁種が生息しています。カイコウオオソコエビを始めとして超深海にいるヨコエビは大変獰猛です。以前、アメリカの研究者がブタの頭を深海底に置いた所、ヨコエビ類が多数寄って来て、あっと言う間に骨にしてしまったそうです。
カイコウオオソコエビの樹脂包埋標本について
以前なら、海洋生物の標本はホルマリン標本がほとんどでした。ただ、ホルマリン標本は色が抜けて、どんな生物も白くなります。また、形も少しずつ崩れてしまいます。さらにホルマリンという化学物質は人体に有害で、医薬用外劇物に指定されています。そのため、テレコムセンターのように多くの人が行き交う場所で、ホルマリン標本の展示は不可能です。しかし樹脂包埋標本の場合、危険な化学物質は使わず、生物が樹脂に埋め込まれているので型崩れや色落ちが起きません。また、手に取って見てもらうことも出来ます。以前、国立博物館で開催された深海展でも、同様の標本を展示しましたが、手に取って見てみることは出来ませんでした。今回は、希望者には手に取ってじっくりと観察できるようにしたいと思います。
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