ヒメウズラは色々な色の卵を産みます。薄い青色、白、クリーム色、薄茶色、濃い茶色などが主な卵の色でしょう。また、卵のサイズもやや小さいサイズから大き目のサイズまでばらつきがあります。これら卵の色やサイズについて、色々憶測されています。実は、卵のサイズも色も食べているエサや日光浴の時間、個体差などの要素から決まります。そのため、メスが産む卵の色やサイズも一生の間に変化します。一羽のメスが、ずっと同じ色とサイズの卵を産むことは稀です。そのようなヒメウズラの卵ですが、実は少々勘違いされている都市伝説が流れています。ヒメウズラの卵にまつわる都市伝説を少々ご紹介したいと思います。
都市伝説1:白ヒメウズラのペアは、白系の色の卵を産む。
最初にご紹介する噂は、「白ヒメウズラのペアは、白系の色の卵を産む」というものです。これは完全に間違っています。白ヒメウズラのペアを飼育している方なら、ご理解いただけると思います。もちろん、白系の色の卵を産むこともありますが、茶色の卵を産むこともあれば、薄青色の卵を産むこともあります。また、ヒメウズラの年齢によっても変化する場合があります。もちろん、茶色や銀色のヒメウズラもクリーム色の卵を産むこともあれば、濃い茶色の卵を産むことがあります。結論として、卵の色から親の羽の色は判断できません。
都市伝説2:サイズが大きい卵は有精卵。
ヒメウズラの卵は、サイズが微妙に異なります。そのため、「受精卵は無精卵より大きい」という都市伝説を耳にすることがあります。ちなみに、ウズラの精子の大きさは直径22マイクロメートル、全長239マイクロメートルです。ヒメウズラの精子はもっと小さいでしょう。ヒメウズラの卵の大きさはおよそ2cmであり、受精しても卵のサイズに目に見える変化は無いでしょう。
卵のサイズは、食べているエサや個体差が大きく関係しています。また、年齢も少し関係しているようです。ニワトリの卵もS,M、Lがあるように、ヒメウズラの卵のサイズも色々ある、ということです。そして、ニワトリと同様にどのサイズの卵でも、産まれてくるヒナの大きさはあまり変わりません。
都市伝説3:低めの温度で孵化を行うとメスが産まれる。
これはヒメウズラの卵自体と言うより、孵化方法に関する噂です。ヒメウズラの孵化の推奨温度は38℃くらいです。「やや低めの37℃前後で孵化するとメスが生まれやすくなる」という都市伝説を耳にすることがあります。実は、カメなどの爬虫類の一部では、低温で孵化を行うとメス、高温で孵化を行うとオスが生まれます。ウズラを始め、鳥類では孵化温度によってオスメスが変わることはありません。推奨温度より低い温度で孵化を行っても、孵化までの日数がかかるだけです。あまり孵化率に良い影響は与えないので、低温での孵化は避けましょう。
まだまだ卵に関する怪しい噂や都市伝説もあると思いますが、孵化に関する噂は気をつけてください。卵の孵化は家禽業を営む方にとっても重要な事案です。科学的な実験を踏まえて検証された話だけを信じましょう。
Commentaires