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執筆者の写真Hideki Kobayashi

ヒメウズラの孵化成功に必要なこと

更新日:2023年4月7日


孵化したヒメウズラのヒナ達

 ヒメウズラは、成鳥が手のひらサイズの小さいウズラで、比較的飼いやすい鳥です。最近、有精卵から孵化させてペットとして飼育する方も増えています。ただ、有精卵から孵化させるためには、孵卵器が必要です。孵卵器にも色々なタイプがありまして、孵化させる卵の種類によって、孵化率が大きく変わる場合があります。卵が小さいヒメウズラの場合、どのようなタイプの孵卵器が良いのでしょうか?


仕切りタイプの孵卵器



ヒメウズラ向きの孵卵器について

 ヒメウズラを卵から孵して、ヒナを飼うためには、先ず孵卵器の準備が必要です。ヒメウズラの卵場合、37℃で加湿しながら温めます。重要な点は、1日最低4回は転卵しなくてはならない事です。孵卵器に自動転卵装置が付いていない場合、手動で卵を6時間ごとに180度(半回転)回転させなければなりません。例えば、朝6時、昼12時、夕方6時、夜12時に転卵するというスケジュールを立てて、約14日間転卵します。もちらん、4回以上転卵してもかまいません。むしろ8回くらい転卵した方が、孵化率は高くなるでしょう。しかし、中々ハードなスケジュールで、実行できる人は少ないでしょう。そこで、オススメは自動転卵装置付きの孵化器です。自動転卵の仕組みは、一つは一つ一つ卵置き場が分かれていて、底部のローラーで転卵するタイプです。リトルママという機種が有名です。このタイプは、1回に7個程度と少数の孵化しかできません。もう一つは、卵を仕切りで仕切って、転卵するタイプです。仕切りを動かして卵を転がすことで、転卵します。このタイプはヒメウズラの卵なら30個以上、孵化することが可能です。ヒメウズラは、約17日で孵化します。転卵は14日-16日まで行いましょう。卵によって生育度が違うので、19日くらいまで温めましょう。卵はライトを当てることで孵化しない卵を選別できます。1週間くらい温めた卵に暗い部屋でライトを当てて、卵の下方に何か溜まっているようなら、孵化しない卵と思って下さい。

 ヒメウズラの場合、孵化率はリトルママタイプの孵卵器をお勧めします。仕切りタイプの孵化率は、大体3-6割程度です。仕切りタイプで孵化を行う場合、卵の大きさを揃えて、卵よりも少しだけ広く仕切ります。あまり広すぎると、卵が縦になってしまい、転卵が成功しません。逆に狭すぎても、卵を固定してしまうため転卵できません。仕切り板の位置は重要です。一方、リトルママタイプは、無精卵が含まれる場合もありますが、孵化率は8割以上です。少々値が張りますが、リトルママをお勧めします。どの孵卵器でも、加湿用の水は枯れないように注意して下さい。


孵卵器「リトルママ」


ヒメウズラの有精卵について

 孵卵器の準備ができた後、ヒメウズラの有精卵を購入します。当社でもヒメウズラの有精卵は販売しておりますが、ヤフオクや他のペットショップでも販売されています。自分が気に入った親鳥が産んだ卵を購入すると良いと思います。白いヒメウズラは結構人気な品種です。購入後、孵卵器に入れて孵化を開始するのですが、次の3つのことを注意して下さい。


ヒメウズラの卵
  1. 卵をよく観察して、ヒビや欠けが無い卵を孵卵器に入れましょう。

  2. 卵が汚れていた場合、濡れたティッシュやタオルで拭きましょう。水洗いは厳禁です。

  3. 直ぐに孵卵器に入れない場合、ビニール袋に濡れたティッシュと一緒に入れて、日の当たらない所に保管しましょう。

 1番目は、郵送の際に割れたり、欠けたりする場合があるからです。絶対に孵化しないので、孵卵器に入れないようにしましょう。購入先の梱包方法により、大きく異なります。できれば、うずらの卵用ケースを用いている販売先を探しましょう。スーパーのウズラの卵もこのケースで輸送を行っています。2番目ですが、シミ程度の汚れなら孵化に問題はありません。糞などの汚れが付いていた場合、濡れたティッシュなどで拭き取りましょう。水洗いは絶対にしないで下さい。孵化率が著しく下がります。3番目は、孵卵器の準備が間に合わなかった場合の卵の保管方法です。何よりも乾燥に注意して下さい。

 当社のヒメウズラ有精卵は、産卵当日か1日後の卵を送っております。また、送付前に検品して、割れや欠けの入った卵は除外しております。汚れも極力拭き取っております。うずらの卵用ケースに入れて、さらに緩衝材で包んで送っております。これまで、ご購入いただいたお客様の報告では、7個中4-7個が孵化しております。ご参考までに。

 次回は、孵化後のヒナの育成について、注意点などをお話ししたいと思います。




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