日本では、ほとんどの家禽ウズラは卵を採ることを目的に飼養されています。日本の家禽ウズラは、産卵用の鳥として非常に優秀で、アメリカやヨーロッパなどにも輸出されています。一方、日本では肉を採ることを目的としたウズラの飼育はほとんど行われていません。ニワトリとは異なり、ウズラは1羽当たりの肉付きがあまり多くないことが原因です。ウズラ肉自体は、平安時代に調理法が記載された書物があるなど、日本でも古くから食されてきました。当時は狩猟鳥でしたが、室町時代にはウズラの飼育に成功し、家禽化された歴史があります。
品種改良による大型ウズラの育種
ウズラ肉を得るためには、やはり肉付きが良く大型のウズラを飼育する必要があります。大型ウズラへの品種改良は、ヨーロッパやアメリカで主に行われてきました。例えばアメリカでは、コリンウズラからジョージア・ジャイアント・コリンウズラやジャンボ・ウイスコンシン・コリンウズラが生まれました。ジョージア・ジャイアント・コリンウズラは体重が1ポンド(454g)まで増加します。一方、ニワトリの平均体重は雄鶏で約3400g、雌鶏で約2800gです。大きく品種改良されたウズラでも、ニワトリの1/6から1/8に過ぎません。そのため、内臓や肋骨を除いたウズラ丸鳥は、4羽分(合計約454g)で27ドル(日本円で約4000円)と高価です。
日本でもウズラの品種改良が行われています。
日本でもウズラ大型化への品種改良が行われています。現在の所、育成50日前後で体重約200g弱の大型種となっています。しかし、ジョージア・ジャイアント・コリンウズラと比較すると、やはり見劣りしてしまいます。元々、日本ウズラよりコリンウズラの方が一回り大きくなることと、コリンウズラの方が肉を採るための品種改良の歴史が長いことが要因でしょう。
フランスではウズラは一般的な食材です。
ウズラ肉は日本では手に入りにくい食材ですが、フランスでは一般的に食されています。ニワトリと同様にウズラ肉はローストやコンフィといった料理になっているようです。一般の家庭では、購入したウズラ丸鳥をそのまま料理するため、比較的小骨が多く、食べにくいそうです。フランスにホームステイされた方なら、懐かしい味かもしれません。都内のフレンチレストランでも、ウズラ料理をメニューに載せているお店はいくつかあります。ジビエ料理で有名なレストラン「アラジン」では、「鶉の詰め物ロースト・カレー風味ソース」がランチコースメニュー(追加料金が必要)に載っていました。ウズラを食べてみたい方は、是非お試し下さい。
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