当社では、ヒメウズラの有精卵を販売しております。多くのお客様から孵化成功の便りを頂いております。また、ヒメウズラを飼育してみたいけど、孵化が成功するか不安で、購入を控えている方もいるかもしれません。これまでもヒメウズラの孵化方法について、ご紹介してきましたが、今回はヒメウズラの孵化方法について、最近の新しい情報を交えて、再度ご紹介したいと思います。
最初に孵卵器を入手しましょう。
孵卵器は卵を温めて孵す装置です。アマゾンやペットショップ等で購入可能です。孵卵器を購入する際、注意するべき点が一つあります。自動転卵装置があるか否かという点です。有精卵を孵化する場合、卵を最低1日4回回転する必要があります。転卵は、卵の一部が殻の内側に付着することを避けるため、卵が接地している部分を90度ずつ回転させることを指します。初めての卵の孵化を行う方は、この転卵を自動的に行う自動転卵装置が付いている孵卵器がお勧めです。自動転卵装置が無くても、手動で転卵を行えば、卵の孵化を行うことが可能です。ただし手動転卵は、結構な重労働です。ヒメウズラの孵化は17日間必要です。最後の2日間を除く15-6日間、1日4回以上転卵を行わなければなりません。是非、自動転卵装置が付いているか否かをチェックして、孵卵器を用意して下さい。
ヒメウズラの卵が届いたら、12時間くらい室温に置きましょう。
ご購入いただいた卵は、定形外郵便またはレターパックで配送しております。配送時の揺れのため、卵の中身が中で揺さぶられて、卵本体と卵殻膜の気泡部分乱れが生じている可能性があります。以前は、到着後直ちに孵卵器で孵化を始めることを推奨しておりました。しかし、気泡の乱れが孵化率の低下に関係しているようです。もちろん、卵が届いてから郵便受けに置いてあれば、この時間は必要ないかもしれません。また、12時間程度の遅延であれば、孵化率に大きな影響はありません。卵が届いてから、孵卵器を準備しても大丈夫でしょう。これは、コリンウズラの有精卵にも同じことが言えるので、コリンウズラの孵化を考えている方も注意して下さい。
孵卵器内部の温度チェックが大切です。
孵化の温度は38―39℃前後が良いとされています。もちろん、設定温度に対して1℃程度上下しても、孵化の日にちが1―2日前後するだけです。設定温度よりも2℃以上異なるとき、孵化率に大きな影響があります。孵卵器に温度計を入れて、設定温度との差を計っておきましょう。また孵卵器の淵など、温度センサーや加温部と離れている場所では温度が低いので、卵を置かないようにしましょう。転卵していると、卵が転がって、淵に行くこともあります。何か敷居となる物を置いて、卵が淵に行かないようにしておきましょう。
検卵は控えめにしましょう。
卵が状態をチェックするため、LEDライト等を当てて中身を透かして見る方法があります。これは検卵といって、無精卵や停止卵を見つけ、孵卵器から排除するために行います。卵の状態が気になる方や、好奇心から検卵を何回も行う方がいます。検卵は2回を限度としましょう。孵化を始めて1週間目と2週間目で良いと思います。理由は検卵を行うと、どうしても卵の温度が下がるからです。その結果、検卵が停止卵となるきっかけを与えるかもしれません。1週間目の検卵は無精卵の除去、2週間目の検卵は停止卵の除去という目的をもって、行いましょう。
最後の日は、少し温度を下げましょう。
最後の一日、ヒメウズラが卵から出てくる時、37.5-38℃に少しだけ下げましょう。最後の日、ヒナが殻から出てくることが出来ず、そのまま力尽きて死んでしまった経験をしたことがある方も多いと思います。最後の日は、ほとんどヒナの状態です。39℃のような高温では、ヒナの体力も削られてしまいます。コリンウズラでも同様ですが、最後の一日は少しだけ温度を下げましょう。健全なヒナを孵すため、温度の管理は大切です。
無事に孵化が成功した、可愛いヒナが生まれることを願っています。
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