最近多いトマトの尻腐れ病の原因と対策、植える時が大切です。
- Hideki Kobayashi
- 4月9日
- 読了時間: 3分
トマトの中でもミニトマトは家庭菜園の人気品種です。家庭菜園だけでなく、気軽に植木鉢で育てたことがある方も多いと思います。園芸店なので販売されているミニトマトの苗を植えると、意外と簡単に育てることができ、あまり手間もかからず成長します。ただ、ミニトマトは本枝(主枝)と本葉の間から出てくる「わき芽」をしっかりと摘む必要があります。このわき芽摘みを怠ると、わき芽が成長してジャングルのようになってしまい、手に負えなくなってしまいます。ミニトマトは沢山実をつけるので、欲張って伸ばしてしまうと、実の品質が悪くなります。そのため、ある程度成長した後で、主枝の芽を摘芯しなくてはなりません。でも、元気よく成長しているミニトマトの芽を摘んでしまうことに抵抗感があって、そのままにしておくと、尻腐れ病にかかってしまう危険性があります。

トマト類の尻腐れ病とは?
トマト・ミニトマトを育てていると、トマトの実の下の部分が黒変することがあります。これが尻腐れ病です。特に栽培日数が長いと尻腐れ病になることが多いです。トマトの実が青い時から黒変してしまい、一度黒変すると治ることはありません。黒くなった時は早めに摘果して捨てましょう。
トマト類の尻腐れ病の原因について
トマト類の尻腐れ病の原因は、病原菌やウイルスではありません。原因は、カルシウム不足です。トマト類がカルシウム不足になる要因は、最初に石灰・苦土石灰を施肥しなかった、窒素肥料の与えすぎた、土壌が酸性化した、などが挙げられます。また、「トマトの実は乾燥気味で育てると甘くなる」という某グルメ漫画を信じて、水やりを控えても尻腐れ病の原因となります。ちなみに、水を少な目でトマトを育てると、確かに実の糖度は上がりますが、それ以上に皮が硬くなり、食感が悪くなります。
トマト類の尻腐れ病の予防について
トマト類の尻腐れ病の原因はカルシウム不足です。トマト類を植える土や畑には、石灰・苦土石灰を多めに施肥することが、第一の予防です。また、肥料も窒素分が少なめな化成肥料を使用しましょう。有機肥料では、油かすや魚かすは窒素分が多いので、避けましょう。米ぬかは、窒素分が少ないので、安心して使用できます。なお、栽培途中で石灰・苦土石灰を撒いても、尻腐れ病にはあまり有効ではありませんでした。尻腐れ病のトマトは、カルシウムが土にあっても、吸収できない状態になっていると思われます。尻腐れ病を発病しないように、植える前の土づくりをしっかりと行いましょう。
尻腐れ病が増加している要因の一つは、酸性雨でしょう。
土壌のカルシウムはイオンの状態でトマト類に取り込まれます。しかし、酸性雨が降るとカルシウムイオンが流しだされてしまいます。その結果、カルシウムイオンが土壌から流出し、カルシウム不足の土壌が出来上がります。その結果、トマト類は尻腐れ病となってしまいます。
酸性雨の影響は様々です。その1つに土壌からのアルミニウムイオンの流出です。アルミニウムイオンは、トマト類の根にダメージを与えて、発根や根の伸長を妨げます。根はカルシウムを吸収する唯一の場所です。根が発達できず、カルシウムや水が十分に吸収できなければ、トマト類は尻腐れ病になります。当社では、酸性雨によるアルミニウムイオン遊離を軽減する「アルミリムーバー」を販売しております。トマト・ミニトマトを抜いた時、根が短かったというご経験をお持ちの方は、是非お試しください。
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