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植物の根にまつわる非科学的な怪談に騙されないようにしましょう。

執筆者の写真: Hideki KobayashiHideki Kobayashi

 3月も中旬になり、今年も野菜や果物、花を育てようと準備されている方も多いと思います。今年は豊作を願って、土と肥料を準備されていることでしょう。基本の栽培用土である赤玉土、腐葉土、鹿沼土、黒土などを、ホームセンターや農協等から購入されて独自のこだわり配合を行っている方や、既成の「野菜を育てる土」などを購入している方もいるでしょう。そして、肥料を混ぜて準備を完了しているかもしれません。しかし、「今年はもっと収穫量を増やしたい」と考える方や「昨年は上手く収穫できなかった。今年は何らかの改良が必要だ」と考える方は、土壌改良剤や「豊作になる植物栄養剤」などを土に加えることを考えるかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。土から根が吸収できる栄養素は限られています。果たして、その肥料や土壌改良剤、植物栄養剤は、本当に作物や花にとって、良い物なのでしょうか?

根の成長は、植物の成長に非常に重要です。
根の成長は、植物の成長に非常に重要です。

根から吸収できる栄養素は主に無機塩類です。

 

 植物が根から吸収できる栄養素は、無機塩類です。肥料でよく見かけるチッソ、リン、カリは、それぞれ硝酸塩、リン酸塩、カリウムイオンのことです。これらは肥料3要素と呼ばれ、多くの市販肥料に入っています。肥料3要素は、主に光合成の後のタンパク質合成や遺伝子の合成、浸透圧の維持などに利用されます。


 次に必要な無機塩類は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸塩です。カルシウムイオンは、細胞の強化、マグネシウムイオン、は、葉緑体に必要な元素、硫酸塩はアミノ酸、ビタミンの一部に必須の元素です。これらの必要量は少量なので、一般の土壌に十分含まれているので、無理に与える必要は無いとされています。ただ、カルシウムイオンは最近の酸性雨の影響で、土から流出することが多いようです。カルシウムイオンが欠乏すると、トマトの尻腐れ病やキャベツやハクサイなどの芯腐れが発生しやすくなります。


 他にも鉄イオン、マンガンイオン、ホウ酸塩、亜鉛イオン、モリブデンイオン、銅イオン、塩化物イオン、ニッケルイオンなどが必要とされています。ただ、必要量は非常に微量なので、故意に与えると過剰症が出てしまい、逆に植物の成長障害になることがあります。

 

土の有機物は植物の成長に特別な役割はありません。

 

 1つ忘れがちなのですが、植物は「独立栄養生物」です。人間などの動物と異なり、特に有機物を必要としていません。だから、土に有機物を撒いても植物に何の影響も与えません。「有機農法」という言葉はありますが、これは前述の肥料三大要素を有機物の形で撒くということです。例えば、リン酸なら化学合成されたリン酸塩を肥料として与えるのではなく、鶏糞や発酵鶏糞を肥料とすることが有機農法です。もちろん、鶏糞には有機物が含まれていますが、植物には何のメリットもありません。だから、植物栄養剤として「○○アミノ酸配合!」や「××酵素配合」などは、植物にとって栄養でも何でもありません。土の有機物に役割があるとすると、土の微生物がよく増殖することでしょうか?一見良さそうな効果ですが、この場合増殖する微生物は従属栄養の微生物です。有機物を消費して、増殖するだけなので、何の効果があるのか不明です。有機肥料のメリットは、有機物が分解されながら、肥料3要素が土に放出されるという点です。ゆっくりと少しずつ肥料成分が放出されるので、化学合成された肥料を撒くよりも、必要量だけ持続的にゆっくりと放出し、植物に過剰摂取のリスクが低くなります。

 

アミノ酸には注意をしましょう。

 

 植物の根は、アミノ酸を吸収することができます。一見良さそうですが、あまり意味はありません。前述の通り、植物は独立栄養生物なので、光合成でブドウ糖を生成できます。その後、植物体内の酵素でブドウ糖から各種アミノ酸を生合成できます。だから、植物がアミノ酸を吸収する必要はありません。むしろ、一部のアミノ酸を植物が取り込みすぎると、成長が悪くなります。例えば、メチオニンというアミノ酸の場合、植物ホルモンであるエチレンの前駆体なので、過剰に与えると自分でエチレンを発生して根がスカスカになるなど生育阻害を起こします。

 

 植物については、既に多くの研究が行われています。植物の根が何を吸収して、何を吸収しないか、という事も判明しています。植物が吸収できない物を土に撒いても、土の微生物や細菌に利用され、その成長や増殖に使われるだけです。土の微生物や細菌と植物の関係は、非常に複雑で、増殖すれば良いという単純な関係ではありません。どうか、科学的に証明されていない製品には、注意して下さい。酸性雨によるアルミニウムイオンの害は、科学的に証明されており、アメリカや欧州の環境省が警告しております。当社のアルミリムーバーは、その科学的な事実に基づき、アルミニウムイオン除去により、酸性雨の悪影響を軽減する製品です。安心してご利用下さい。



 
 
 

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