ウズラ類は世界に数多くの種がいます。そして、その鳴き声も様々です。一方ニワトリは、色や姿が多少違っていても、学術的には同種となっています。青い卵を産むアローカナもあまり卵を産まない烏骨鶏も、小型のチャボも皆、学術的には同じニワトリです。犬のように品種改良の結果、様々な品種のニワトリが作り出されました。だから、ニワトリの鳴き声は品種に関わらず、皆同じです。日本では「コケコッコー」、英語圏の国では「クックドゥードゥルドゥー」と鳴き声の表現は違いますが、ニワトリの鳴き声は世界共通です。一方ウズラ類は学術的に別種となっています。そのため、鳴き声も異なります。ニワトリの鳴き声のような表現方法の違いではなく、実際に声が異なります。今回はウズラ類の鳴き声についてのお話です。
ヒメウズラの鳴き声は「ケーケーケー」
ヒメウズラは普段、「ピヨピヨピヨ」とヒヨコの鳴き声と同じ声で会話しています。ペアで飼育していると、何を話ししているのか、少し気になりますね。しかし、オスは時折大きな鳴き声を上げることがあります。「ケーケーケー」という雄叫びを上げて、周りを驚かせます。複数のオスがいた場合、一羽が雄叫びを上げると、他のオスも競って雄叫びを上げます。ヒメウズラの飼育を考えていても、鳴き声が気になり、躊躇されている方もいるでしょう。オスの雄叫びは、あまり回数が多くないので、それほど心配する必要は無いと思います。
二ホンウズラの鳴き声は。「ゴキッチョー(御吉兆)」
昔から日本人はウズラと慣れ親しんできました。江戸時代では、ウズラ同士の鳴き声の優劣を競う「ウズラ合わせ」という朝火が流行しました。その際、ウズラを持ち運ぶために用いられたカゴが、「鶉籠(うずらかご)」です。夏目漱石作品集の名前としても有名です。
江戸の人達がウズラを飼っていた理由の一つに、その鳴き声がありました。二ホンウズラ(並ウズラ、家禽ウズラ)の鳴き声は「ゴキッチョー」であり、「御吉兆」と聞こえます。「御吉兆」は、何か吉事の兆しをウズラが持ってくると考えられていました。江戸の人達は、鳴き声を楽しむと共に、縁起を担いでウズラを飼っていたのでしょう。
コリンウズラの鳴き声は。「ボブホワイト(Bob White)」
アメリカの代表的なゲームバードであるコリンウズラの鳴き声は、「ボブホワイト」です。あまりにも有名なため、アメリカではBob Whiteがそのままコリンウズラの名称として通じるくらいです。実際に鳴き声を聞いてみると、「ボ・ブ・ホワイト!」という強い雄叫びと「ボブホワイト、ボブホワイト」という弱い鳴き声の繰り返しの2パターンがあります。雄叫びはオスだけなので、メスだけを飼育している方は、滅多に聞くことは無いでしょう。先日ご紹介した「うずらのロバート」でも、「ボブホワイト」が聞けないというエピソードがありました。ロバートさんはメスだったのです。コリンウズラが雄叫びを上げるのは繁殖期だけなので、鳴き声が気になる方は、繁殖期だけ屋内(外)で飼育するという方法もあります。
ヨーロッパウズラの鳴き声は、「ウェットマイリップ(Wet My Lip)」
最後にご紹介するウズラは、ヨーロッパウズラです。以前、毒を持つ珍しい鳥としてブログでご紹介しました。ヨーロッパウズラの鳴き声は、「ウェットマイリップ(Wet My Lip)」です。こちらのサイトで紹介されていますが、私が聞いたところ、「ピッピピ」としか、聞き取れませんでした。でも、結構小さな声なので、ペットとして飼育に向いていると思います。日本でも所沢市にフランス原産のウズラを家禽として飼育する会社があると聞きました。「シャイン・カイユ」という食肉用に改良されたヨーロッパウズラです。もちろん、有精卵の分譲等は行っていないようです。
ウズラは家禽としても優秀で、ペットとしても懐きやすい鳥です。是非、一度飼育してみませんか?有精卵から孵すと、良く懐きますよ。
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